審査請求決定書を検証する②
結論を検証(1)。(決定書14・15)
①医師から転倒の有無を尋ねられて・・・災害の程度は軽いものであったと認められる。
<反論>
※災害の程度は軽い物であった事には同意します。 しかし、医師から「何か思い当たる事はありませんか」とは聞かれたが、転倒の有無を尋ねられていない。(印象操作)
②一方、地方労災医員Aの意見書では、造影MRIで淡く一様に造影された所見は、外傷に見られる所見ではなく、腫瘍、炎症あるいは脱髄性疾患を示唆すると述べられている。
<解説>
地方労災医員Aの根拠はこの文献1・2・3・4です。
造影MRIにおいて概ね受傷後1週以内にはほとんど造影効果がみられず、受傷約2週後にその効果がみられたが、受傷約1ヶ月後には消退する傾向にあったそうです。
私の場合、造影MRIにおいて受傷後9日目に淡い造影効果が見られたことが非外傷性の根拠となっています。 これも○○労働局に都合が良い根拠です。
<反論>
※この文献1・2・3・4・5のうち、文献3にこのような記述があります。
※受傷のメカニズムや脊髄損傷後の組織反応の推移も記述されており、損傷部周囲の細胞までもがアポトーシスに陥るのは1週間程度。
※また、別の文献Assessment of Gadolinium Lcakage lnto Traumatic Spinal Cord Lcsion Using Magnet Resonancc lmaging(磁気共鳴画像法を用いて、外傷性脊髄損傷にガドリニウム漏れの評価)において、ガドリニウム強化は外傷性脊髄障害の後およそ4日後に始まって、7から28日の間で最大限であったとあります。(英語の文献がこれを含む5件あり、後日掲載します)
※これらの事からも、造影MRIにおいて受傷後9日目に淡い造影効果が見られたことが非外傷性であることの根拠にはなりません。
※また、中心性頸髄損傷では上肢の障害が強いとし、これが古典的理解となっている。 したがって、下肢の障害が強いからと否定形的とは言えません。
※さらに、受傷のメカニズムは、脊柱管の狭小化がもともと存在していたところに外力が加わり生じるとされている。 すなわち、上位椎体下縁と下位椎弓上縁との間での脊髄狭撃によるpincer’s chanismにて発生する。 あるいは、頸椎過伸展で黄色靭帯のたくれ込みがおこり、硬膜管を最大30%まで狭窄するために発生するとあり、災害の大小は全く関係ありません。
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